サッカーのない毎日が、こんなに平凡で怠惰な日々であるのか。
生活の中にサッカーが溶け込んでいる人ほど、このように感じていたのではないでしょうか。
ジュニアサッカーを観戦している人の中には、サッカー経験がなく観戦経験もないけど、子供のサッカーチームを毎週手伝っているという人がいます。
子供が習い始めたことをきっかけに、サッカーを知り、観戦し、興味を持ったという訳です。
今回は、大人になってサッカーに興味を持った人に見て欲しい動画チャンネルを紹介したいと思います。
サッカーを知らない人も楽しめる「JリーグTV」
JリーグTVは、YouTubeのJリーグ公式チャンネルで配信されている番組で、Jリーグ副理事長である原博実さんがMCを努めています。
この番組の見どころは、選手、監督、技術委員長を経験した原さんが、Jリーグや日本サッカーのリアルな現状を表裏両面から紹介しているところです。
Jリーグの選手や関係者、サッカー経験者だけでなく、サッカーを知らない人にも楽しめる内容になっています。
原さんがどんな人かを知りたい人は、『原博実物語編』を見てみると良いと思います。
サッカーをはじめ、スポーツが好きな人のコミュニティに入るには、最初に知識の壁を乗り越える必要があります。
使われている言葉やルールを最低限知っておかないとルールが分からず、コミュニケーションが取りにくいからです。
ただその一方で、楽しむための知識がコミュニティに参加する障壁となっている側面があります。
最初の頃は、コミュニティに馴染みたいがためにHPやSNSで試合結果や選手の情報を集め、使える知識を増やしたくなります。
しかしながら、それらの知識は自分が見たり感じたものでないので、語尾に「みたい」や「らしい」が付いており、リアリティがなく薄っぺらい会話になりがちです。
できれば身近にあるサッカーをしっかり見ていくとともに、少し広い視点からサッカーを知っていくと、目の前のサッカーがなぜそう運営されているのかが分かるようになります。
サッカーはJFAという1つの組織で運営されていて、国内トップチームであるJリーグで適用されるルールや運営方法が下の年代にも適用されているからです。
JリーグTV番組で語られる内容は、テレビや雑誌では語られないここだけの話が多いのも特徴です。
日本代表監督をどうやって探したのかという話や、理事会やJリーグ本部がどういう活動をしているのかという話は、なかなか聞ける機会はありません。
また、コロナウィルスの影響でリーグ戦中断を決めるまでの過程や、再開に向けた各課題にどう対応しているのかをリアルタイムで開示していく試みは、他の組織にはあまり見られないものです。
特に観客を動員するイベント開催者にとっては、Jリーグが先頭を切って進めるコロナ対策の取り組みは参考になったのではないかと思います。
こういった情報を知っておくだけで、目の前で起こったことに対して自分なりの意見を持てるようになってきます。
もう一度サッカーを好きになる番組
サッカーが好きな人の中には、何らかの理由でやらなくなったり、疎遠になったり、嫌いになってしまった人もいるように思います。
年齢が上がるごとに競技人口が減っていくスポーツであることを考えると、むしろそういう人の方が多いのかもしれません。
ところが、大人になると「やっぱりサッカーが好きだったんだ」と、もう一度サッカーが好きになる瞬間があります。
それは、子供ができて一緒にボールを蹴ったり、久しぶりに観戦に行ったり、テレビの前でスーパープレーを見た時に突然やって来ます。
また、競技者として楽しむだけでなく、選手をサポートしたり、大会やイベントを運営する時に楽しいと感じるときもあります。
これは、大人になって初めて気付くものであるように思います。
JリーグTVの中には、夢中になってボールを蹴っていた頃の気持ちを変わらずに持ち続けている大人たちが映っています。
彼らに共通するのは、純粋なまでの「サッカーが好き」という気持ちであり、この気持ちを伝えたいという泥臭いまでの情熱だったりします。
その生々しい情熱は、サッカーを始めたばかりの子供たちや地域を愛する人々にも伝わっていて、訪れるスタジアムでは大勢のサポーターに温かく迎えられています。
サッカーを辞めた大人たちは、JリーグTVに映る原さんや諦めきれない大人たちの背中にサッカーの新たな魅力や懐かしい泥臭さを感じ、もう一度サッカーを好きになるのかもしれません。