” ちょうどいい “をつくる
” Suits me fine ! ”(ちょうどいいね!)という言葉があります。
金曜日の予定空いてる? ” Suits me fine ! ”(空いてるよ!)
今日のご飯どう?おいしい? ” Suits me fine ! ”(おいしいよ!)
この服似合ってるかな? ” Suits me fine ! ”(似合ってるよ!)
いずれも自分にとって心地がいい状態であるという意味です。
基準はあくまでも自分であり、他の人の意見は入っていません。
私たちはこの” ちょうどいい “を”身の丈サイズ”と解釈し、考え方や活動の基軸にしています。
ここでいう身の丈サイズとは、単に質素につつましくすることではなく、すこし背伸びをしたりこうなりたいという願望も潜んでいます。
無理なく背伸びをしているから、そつがなく機能的である。
持続的で豊かな生活につながるものとして、ひとつでも多くの” ちょうどいい “を増やしていきたいと考えています。
身の丈サイズは、地域多様性を生み出す
同じ料理でも地域によって使う食材や味付けが異なります。
それぞれが母の味、故郷の味であり、長い時間をかけて形成された思い出の味はとても愛着のあるものです。
この心地よい味のサイズ感には、支持する人数の大小はあれど優劣はありません。
すべての人が同じ味をおいしいと感じるようになっては面白みがないですし、人はいつもと同じ味に飽きてしまうからです。
そのために身の丈サイズには、地域の風土や特色ができる限り反映されるべきであると考えます。
豊かな社会を形成していくには、このちょうどいいサイズ感を地域多様性として捉え、その地域に住む人々が目に見える形で蓄積し、長い時間をかけて磨き上げていくことが大切です。
心地よさのものさしを使って具現化してみる
人の価値観は日々変化します。
子供の時に楽しいと思ったこと、社会に出てから好きになったこと、子供が生まれ親となってから興味を持ったこと。
自分であることに変わりはないのに、その時々で価値の基準となるものさしが変わっていきます。
例えば、あなたに家族ができたとします。子育てに忙しいあなたは通勤や買い物に便利な都心のマイホームを購入します。
子供が大きくなるにつれ、最初はちょうどよかったマイホームが手狭に感じるようになり、また、都心には遊び場が少ないことに気づきます。
ある日の夜、友人から自然に囲まれた郊外で広めの中古物件を購入し、好みの間取りにリノベーションしたという話を聞きます。
写真を見ながら楽し気に食事をする友人の側で、自分だったらこうするのにと思いを馳せます。
今のあなたは初めてマイホームを購入した時よりも、住まいに対する知識を蓄え家族の好みを理解しています。
これは、心地よさのものさしを使って自分たちにあうものを選択してきたということです。
心地よさのものさしは、ものを買う、ものの配置を決めるとき、ものを捨てるときにとても役立ちます。
また、自分の心地よさのものさしが見えてくると、一緒に生活する人のものさしも知ることができます。
自分にとっては心地よくても、家族にとっては贅沢すぎたり使い勝手が悪いかもしれません。
私たちは自分たちが心地よいと思うことを、創造力と感性を使い、合理的で機能的に商品や場所として具現化しています。
どこかで私たちの手掛けたものを見たときは、ぜひ実際に手に取り実際に使って皆さんのものさしで測ってみてください。
もし、お手に取ったものが「ちょうどいいな」と感じていただけたなら幸いです。