「明日試合なのに全然練習してない、どうしよう…」
「練習しようと思ってたけど、雨が降ったから外に行けない…」
「うちの子は朝が弱いから、短時間で体を起こしたい…」
大事な試合の前なのに、練習ができない時ってありませんか?
親の心配をよそに、本人はテレビや漫画を見てのんきにしています。
当日の試合前に十分な練習ができれば良いですが、朝が早かったり、練習スペースがない会場もあります。
事情があるとは言え、まったくボールを蹴らずに試合に臨むのは、ちょっと心配になります。
そこで、今回は自宅のちょっとしたスペースでできるトレーニングを紹介します。
体のバランスを整えるトレーニングと、足の感覚を起こすトレーニングです。
万全のコンディションで試合に挑みましょう。
試合前は、即効性のある” コーディネーション “がおすすめ
コーディネーションとは日本語で『調整』という意味です。
体のズレや感覚を調整して、本来持っている能力を発揮できるようにします。
試合前に、反復練習である走り込みや筋力トレーニングを行っても、目に見える効果は期待できません。
したがってコーディネーションは、へとへとになるまで追い込んだり回数を伸ばすのではなく、体が温まった段階で終了します。
あくまでも調整であることを忘れずに行ってください。
何もしないと、バランスは崩れていく
「昨日は調子が良かったのに、なぜ今日は全然だめなんだろう…」
発育途中の子供にとって、こういったことは良くあります。
不安定な姿勢で座ったり、横になって寝ることで体のバランスが崩れてしまうためです。
サッカーの場合、手ではなく足でボールを触るため、バランス感覚の崩れがプレーに大きく影響します。
自分ではまっすぐ蹴ったつもりでも、右に行ったり左に行ったり方向が定まらないのはそのためです。
試合前は、体をイメージ通りに動かすことのできる状態へ戻すことが重要になります。
【体のバランスを整える】片足立ち&足振り体操
まず、体のバランスを整えるトレーニングを行います。
継続することで、体幹も一緒に鍛えることができますので、自宅トレーニングにも取り入れると良いと思います。
体の軸を確かめながら、左右交互に行っていきます。
1.利き足とは逆の足で片足立ちをします。(10秒)
2.片足立ちをしたまま、利き足でゆっくりとキックの素振りをします。(10回)
次に本当にボールを蹴っているように、足を大きく振り上げてキックします。(10回)
軸足がフラフラしないよう、足の指を開いてしっかりと踏ん張るのがポイントです。
3.逆足も同じように片足立ち(10秒)から、キックの素振りをします。(ゆっくり⇨強くの10回ずつ)
逆足は反対側の手を大きく広げながら蹴ると、バランスが取りやすくなります。
4.インサイド、アウトサイドなど、キックの種類を変えながら、体が温まるまで行います。
【ボールの打感を取り戻す】ボールネットを使ったタッチ練習
起きてすぐの朝や練習をしていない日は、足の筋肉が固くなって感覚が鈍っています。
この状態でトラップやドリブルをしても、細やかなタッチが上手くいきません。
足首周りの筋肉と指先の血行を良くして、足先の感覚を取り戻します。
まずは、リフティングが上手くなるボールネットを使い、足で繰り返しボールを触って打感を確かめます。
リズムよくトントンと蹴ることで、力の加減が一定になるように調整します。
雨の日や夜でもできるよう、ボールネットを使って室内(3m四方のスペースがあれば大丈夫)で行います。
1.ボールネットに入れたボールを、腰位置で固定します。
2.紐が緩まないようにしながら、連続してボールを蹴ります。
なるべくボールが回転しないように、ボールの芯を意識するのがポイントです。
3.利き足から始めて、逆足、両足と30回ずつ行います。
4.足首周りの筋肉がほぐれて、足全体が温まってきたら終了します。
5.インステップ、インサイド、アウトサイドなど、足全体を使ってトレーニングします。
場所や時間を選ばずにできるトレーニング
今回紹介したトレーニングは、どちらも時間や場所を選ばず、3分程度で行うことができます。
起きてから出かけるまでの間、試合前のちょっとした待ち時間、お風呂に入ってから寝るまでの間。
何かを鍛えるトレーニングではなく、体のバランスを整えたり、感覚を取り戻すコーディネーションであるため効果がすぐに表れます。
「今日は調子が悪いな…」
「ミスが多くなっているな…」
と思ったら、体のバランスが崩れていないか、足の感覚が鈍っていないかを確かめてみましょう。
自分がイメージしている通りに体が動かないと、ボールは思った所に飛んでいきません。
片足立ちがふらふらしたり、ボールの軌道が安定しないときは、体をコントロールできていないというサインかも知れません。
勝利へのショートカットを見つけよう
学校に行ったり、習い事をしたり、ご飯を食べたり。
子供たちは思っているよりも慌ただしく一日を過ごしています。
私たちはしばしば、「努力する」ということにこだわり過ぎて、「上手くなる」という本来の目的を失ってしまうことがあります。
集団で行う練習であれば、たとえその日は上手くならなくても、仲間と過ごす時間や練習の不合理さから得た経験が、将来役に立つかもしれません。
しかしながら自主練習やパーソナルトレーニングは、その人自身に合っているかどうか、実際に上達しているかどうかという点が重要であると考えます。
- 日常生活の中で無理なく取り入れられる内容であるか
- 上達していることを感じられるかどうか
- そのトレーニングによって自分の体の状態を確認できるかどうか
これら3つのポイントを押さえることで、知らないうちに崩れていくバランスを整えつつ、効果を実感できるトレーニングになります。
闇雲に時間や労力をかけるのではなく、Ctrl+CやCtrl+Vを使うように、目的を達成するためのショートカットを自分なりに見つけていく。
勝利への確率を上げていくには、目的を達成するための最短ルートを想像する力も必要であるように思います。