【ジュニアサッカー観戦の疑問】8人制サッカーのルールは11人制と何が違うの?

「少年サッカーのコートって決まりがあるの?」

「あのチームすごく交代するけど何人までできるの?」

「子供でもイエローカードやレッドカードは出るの?」

 

テレビで観ているサッカーと、子供たちがするサッカーではルールに違いがあります。

楽しく観戦をするには、子供たちに質問されても迷わず答えられる正しい知識が必要です。

知ってしまえば簡単な、8人制サッカーと11人制サッカーのルールの違いを紹介していきます。

 

8人制サッカーの目的は、プレーする機会を増やすこと


ジュニアサッカーで行われる8人制サッカーの競技規則には、11人制サッカーと異なる特徴があります。

それは、『できるだけ多くの選手が試合に出て、プレーする機会を増やし、成長できる環境をつくる』という理念がある点です。

そのために、ピッチが小さくコンパクトで、主審の許可がなくても自由に交代でき、交代人数に制限もありません。

勝敗だけでなく、試合に出る回数を増やすという別の目的があるというところが大きく異なります。

 

コートは11人制の半分


プレーする回数を増やすという目的に沿ってコートの大きさも小さくなります。

11人制コートの約半分(68m×50m)が推奨です。

この推奨というのがポイントで、形状や遊具の位置によって大きさが確保できない場合は、現場で変えていいよという柔軟性があります。

 

ジュニアサッカーの観戦に行くと、コートの大きさが全然違うと感じるのはこの理由からです。

横幅が狭かったり、縦が長かったりと会場によって特徴が異なります。

これはプロでも同様で、スタジアムによってフィールドの大きさやゴールの向き、芝の長さは微妙に異っています。

 

ゴールが小さい


ジュニアサッカーでは11人制よりも小さいゴールを使用します。

横幅は2.3m小さく、高さは210cmと約30cm小さくなりますが、横幅の縮尺に比べると高さはそれほど低くなりません。

そのためキーパーの手が届きにくいゴールバー付近に、ライナー性のシュート打つと高い確率で得点になります。

キックオフゴールは、このゾーンを狙ったシュートであると言えます。

 

ボールが小さい


8人制サッカーでは4号球を使います。

11人制の5号球と比べると大きさで1.5cm、重さで約50~100g小さくなります。

僅かな違いに見えますが、実際に蹴り比べてみると飛距離や軌道がかなり変わってきます。

【ジュニアサッカー観戦の疑問】なぜあの審判は、反則を取らないのか

 

8人まで何度でも交代できる


11人制では交代枠は3人までですが、8人制は審判の許可なく8人まで何度でも交代ができます。

これは『プレーする機会を増やす』という理念に基づいた、8人制サッカーの良いところだと言えます。

また、一度交代で外に出た選手であっても、再び交代して出場することができます。

ただし、交代はセンターライン付近にある交代ゾーンで行わなければなりません。

※キーパーが交代する場合は、アウトオブプレーで審判の許可が必要です。

ジュニアサッカーでもカードは出る


ジュニアサッカーでは「プロだったらイエローだな」と思うプレーでも、カードが出ることは多くありません。

該当するプレーが少ないというよりも、全体的にカードが出にくい風潮があるように思います。

カードを出す行為は審判にとっては勇気がいる行為なので、かなりレフェリングに自信がないと難しいからです。

 

子供は勝ちたいという思いからズルをすることがあります。

汚い言葉を吐いたり、さもファウル(ファール)されたかのようにシュミレーションをする選手もいます。

子供たちにとってはそれだけ真剣な勝負であるからです。

 

イエローカードやレッドカードは選手にとっては不名誉なことです。

ただし、フェアプレー反する危険な行為があれば、ためらうことなく提示すべきです。

8人制サッカーでは、退場者が出た場合でも選手の補充ができます。

育成面を考えるなら、カードがでるプレーの境界線を知るというのも大切なことだと思います。

 

審判との駆け引きも魅力のひとつ


オリンピック競技の中に競歩というスポーツがあります。

競歩は決められた距離を歩き、速さを競う陸上競技です。

 

競歩には” ロス・オブ・コンタクト “といって、両足が同時に地面から離れてはいけないというルールがあります。

審判が離れていると判断すると失格になってしまいます。

しかしながら、選手の足をスローモーションで見ると、ほとんどの選手はわずかに地面から離れている時間があるそうです。

 

定められたルールの中で、相手選手だけでなく審判とも駆け引きをしながらレースをする。

競歩にはタイムや着順だけでなく、そういったギリギリの勝負を楽しむという醍醐味もあるようです。

一流の選手は足が離れていないように見せる技術を持っているということです。

 

サッカーを知っている選手に、女神は微笑む


FKやPKをもらいに行くようなプレーは考えものですが、ルールの中で相手の裏をかく技術は、サッカーにおいても必要となります。

この技術は、緊迫した試合の中でしか身に付かないものです。

 

サッカー強豪国ブラジルには、「マリーシア」という言葉があります。

「ずる賢さ」「したたかさ」という意味ですが、そこに反スポーツマンシップの意味はありません。

優れたマリーシアは、豊富な経験から生み出された駆け引きや知恵から生まれています。

 

サッカーを良く知っている選手であればあるほど、勝負の駆け引きが上手く、勝利に結びつく知恵を持っています。

そして、子供たちがその駆け引きや知恵を身につけるために、観客である私たちもサッカーを知ることが大切であるように思います。

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