友達や親子で一緒にじわれる名作映画『GAMBA ガンバと仲間たち』

『ガンバの冒険』というテレビアニメを知っていますか。

町ネズミのガンバが仲間とともに、白イタチのノロイを倒しに行くという冒険アドベンチャーです。

児童小説『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』を原作にしたアニメで、その人気から何度も再放送されています。

 

「急に雨が降って予定がなくなってしまった…」「友達が家に来るから一緒に映画を見たい!」

そんな時にお勧めの映画です。

 

ガンバの面白さは、個性豊かな仲間と繰り広げる『冒険』にあります。

また、白い悪魔と恐れられるイタチのノロイに挑んでいくその姿は、思わず応援せずにいられない迫力があります。

数十年前のアニメでありながら、ノロイは『日本のアニメ史上でも屈指の恐ろしい悪役』として知られています。


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豪華スタッフにより実現した劇場版『GAMBA ガンバと仲間たち』


総製作費20億円をかけた劇場版『GAMBA ガンバと仲間たち』は、2015年に華々しく公開されました。

主人公ガンバは、アニメ版「進撃の巨人」で人気の声優である梶裕貴。そしてヒロイン潮路(しおじ)役は神田沙也加。

悪役ノロイ役は『にほんごであそぼ』でお馴染みの狂言師野村萬斎、映像制作会社は「STAND BY ME ドラえもん」の白組という豪華な顔ぶれです。

 

しかしながら、全国596スクリーンで公開した作品は、その期待感とは裏腹に動員数が伸び悩んでいきます。

映画は作品の良さのみならず、プロモーションが重要であるということが良く分かります。


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最強の敵ノロイというキラーコンテンツ


本編を観るとわかるのですが、ガンバや仲間のキャラクターは、悪役ノロイの存在によって引き出されています。

大きく白い体、赤く光る眼、残虐な性格と狡猾な話し方は見ている子供たちに本当の恐怖を感じさせてくれます。

テレビアニメの頃からその存在感は際立っていましたが、3Dアニメとなった劇場版でも『恐いノロイ』が忠実に再現されています。

普段接することの少ないイタチですが、完全にノロイのイメージが付いてしまうから不思議です。

 

GAMBAというタイトルから想像するもの


サッカーが好きな人であれば『GAMBA ガンバと仲間たち』と聞くと、大阪のクラブが最初に思い浮かぶのではないでしょうか。

実際にガンバ大阪の協賛を受けており、選手とコラボレーションした企画も行われました。

タイトルにあえて『ガンバ』だけでなく『GAMBA』と入れているので、サッカーの好きな子供たちをターゲットにしていたのかも知れません。

 

ところが、一見分かりやすくするための工夫は、一部のアンチを生んでしまったように思います。

サッカーに興味のない人や、ガンバ大阪以外のサッカーファンにとっては、先入観というノイズがどうしても入ります。

原作を知っている人が魅力であると感じる、冒険することの楽しさや、最強の敵ノロイを前に出したタイトルの方が良かったのかも知れません。

ここでは、プロモーションと同様にネーミングも重要であるということが分かります。

 

この映画の見どころはエンドロールにあり


この映画の良いところのひとつは、エンドロールの世界観です。

切り絵のようなアニメーションとともに、倍賞千恵子がカバーする小沢健二の「ぼくらが旅に出る理由」が流れます。

青春時代に小沢健二を聴いていた親世代にとって、「ぼくらが旅に出る理由」は心に残る思い出の曲です。

 

スローでアカペラに近い歌声は、切なくもあり力強くもあり、とても心に共鳴するものがあります。

同じ映画でありながら、大人は幼少期のノスタルジーとして、子供たちはかつての物語をファンタジーとして観ることができます。

この世界観をヴィジュアルや音楽でシンプルに作り出せる白組は、やはり力のある製作会社であるようです。

 

『GAMBA ガンバと仲間たち』は、友達や親子一緒に家で観ることができる名作映画です。

92分というコンパクトな時間で、笑いあり涙あり、恐怖あり感動ありで、最後は心の中に温かいものを残してくれます。

ガンバという言葉の先入観を捨てて、軽い気持ちで観てみると良いと思います。

 

そして、映画を観終わったあとは、しばらく子供たちの様子を見てみましょう。

もし、子供たちがセリフを真似していたら、それはノロイの催眠術で魅力に憑りつかれてしまったということかもしれません。

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