子供が成長していく上で、欠かせない乗り物である自転車。
小学校や中学校入学を機に、新しい自転車に買い替える家庭は多いのではないでしょうか。
外で遊ぶのが好きな子供が、初めて買ってもらう自転車は特別なものであり、アルバムの写真や記憶の中に残り続けていきます。
また、買い替えを検討する保護者にとっても、子供の自転車を購入する日は特別な記念日になります。
新たな一歩を踏み出す嬉しい時間であり、これまでの成長を噛み締める時間であるからです。
初めて子供用自転車を選ぶ場合、一般的には子供自身が気に入っているか、安全性がどうかを優先する保護者が多いと思います。
しかしながら、使用頻度や今後の成長を考えると、子供の意見だけでなく保護者が未来を予想しながら選んだ方が、良い買い物をしたという実感につながるように思います。
もし、子供がサッカーを習っていたり、サッカーをさせたいと思っている保護者であるならば、脚力を鍛えることができる自転車にこだわらない理由はありません。
今回は、子供の自転車を選ぶという過程を、初めて乗る自転車から乗り換えるタイミングを含めて、保護者の目線で考えてみたいと思います。
子供が自転車を買い替える時期を把握しよう
幼稚園・保育園入学から中学卒業の12年間を自転車に乗り続けると仮定した場合、体の大きさや移動範囲を考慮すると、少なくとも3台前後の自転車に乗ることが予想されます。
子供用自転車を2台、大人用自転車1台を、成長スピードや使用頻度を考慮しながらそれぞれ3年くらいで乗り替えるイメージです。
街の自転車屋さんで売られている自転車は、一般的に2〜3万円が相場かと思いますので、上手に乗り換えたとしても約10万円を使うことになります。
ここでは、1台目から3台目までの自転車の役割や求めるものについて整理していきたいと思います。
1台目 子供用自転車 16〜20インチ 幼稚園年長~小学校2年生
自転車に乗れるようになるための練習用としての位置付け
乗りやすさや安全性を重視
使用回数が少ないと、兄姉や知人からのおさがりで対応できる
2台目 子供用自転車 20〜24インチ 小学校2年生~小学校5年生
行動範囲が広くなり子供が一人で出かけることが多くなる
幼児自転車にはない変速機能や見た目に特徴のある自転車が人気
子供乗せ自転車から卒業し、公道デビューをするなど記憶に残りやすい
3台目 大人用自転車 26インチ〜 小学校高学年~
子供用自転車が恥ずかしい年齢
通学や習い事で使用回数とともに荷物が増える
長距離移動でも疲れない車輪の大きい自転車へ
保護者や祖父母としては、初めての自転車にお金をかけたくなりますが、総じてコスパの良い投資とは言えません。
子供が小さい頃は行動範囲が狭いだけでなく、子供乗せ自転車に乗って移動することが多いからです。
また、子供が乗る自転車は、草むらや水溜りを走りそのまま風雨にさらされることも多いため、保護者の思い入れとは裏腹に意外と劣化が早い消耗品の側面を持っています。
このように、自転車それぞれの目的や使用頻度を把握しておくと、どのタイミングでお金をかけるべきかがなんとなく見えてきます。
今後の教育費を考えると「子供の自転車だからそんなにこだわらなくても良い」とされがちですが、出かける回数が多く、移動距離の長い子供であればそれなりに良いものを購入した方が結果的に費用が抑えられる場合もあります。
ここからは、「アクティブ」「節約」「こだわり」の3つのタイプに分けて、より具体的に購入計画を考えてみたいと思います。
1.成長にあわせて乗り換えるアクティブタイプ
スポーツが好きな子供、とくに男の子ならアクティブタイプで計画していきましょう。
アクティブタイプは、年齢や成長に応じて乗り換えていくため、色々なタイプの自転車に乗ることができます。
ストライダー®︎のようなペダルなし自転車に乗っておくと、自転車に乗るためのコツが遊びながら身に付けられるメリットがあります。
兄弟姉妹がいる家庭であれば、いつの間にかこのタイプになっていることもあるので、子供の成長に寄り添った購入計画であると言えます。
ストライダー スポーツモデル (STRIDER Sport) 12インチ 本体(amazonより)
ペダルなし自転車は各メーカーから様々な種類が出ていますが、ストライダーがお勧めです。
ストライダーはペダルなし自転車のパイオニアであり、デザイン性やカラーバリエーションなど、「子供に買ってあげたい!」と保護者が思う要素が詰まっています。
また、ストライダーならではのメリットとしては、全国各地でレースイベントが行われていることが挙げられます。
小さな子供が時に転倒しながらゴールを目指す姿は、見ている人の心を熱くする人気のイベントになっています。
このレース人気を受けて、より乗りやすさにこだわったスポーツタイプも新しく販売されています。
やや高めの価格帯ですが、普段遊びやレースへ参加で使用頻度が高いなら、きっと満足のいく買い物になるでしょう。
ストライダーの欠点をあげるとするなら、子供が乗らない時間はただの荷物になってしまうところです。
サイズが小さいので、自転車のように押して歩いたり、荷物を載せたり、自立させて置いておくことができません。
保護者の荷物の多い幼少期には、持ち運びに苦労することが多くなるため、ペダルなし自転車用のキャリーベルトを持っておくと良いです。
2.最低限の乗り換えで済ます節約タイプ
ほとんどの移動はマイカーだから、自転車に乗る回数がそれほど多くないという人は、節約タイプで購入計画を立てると良いです。
あまり費用をかけたくないので、近所の自転車や大手ネットショップで比較的安価なオリジナル自転車を購入しているという人は、このタイプが多いように思います。
GRAPHIS(グラフィス) 子供用自転車 クロスバイク 6段変速(amazonより)
使う回数が少ないと、なかなか手入れをしなくなるので、飽きの来ないオーソドックスな形で丈夫なものを購入するのがお勧めです。
パンクしたり、錆びて見栄えが悪くなるとさらに使わなくなるので、『丈夫である』というのが結構大事なのかもしれません。
ものの良さと値段はある程度比例しますので、屋根のないところに置いていると想像以上に劣化が進んで、結局コスト高になってしまいます。
せっかく購入するのであれば、綺麗な状態で乗れた方が良いので、雨のかからない場所にとめたり注油や防水スプレーなどで錆対策をしたほうが良いと思います。
大阪を拠点とするサイクルベースあさひは、手頃なオリジナル自転車を提供しているだけでなく、アフターサービスも充実しています。
自転車は細かい部品が多く、意外とメンテナンスが必要なので、近くにこういうお店があると安心です。
結局のところ普通の自転車が一番使い勝手が良いというところもあるので、強いこだわりがなければこういったお店で購入すると良いでしょう。
3.手間と時間を惜しまないこだわりタイプ
自分に合ったものを選びたい人、自転車のメンテナンスも楽しみたい人、他の人と被るのが嫌な人は、こだわりタイプを選ぶと良いと思います。
多少費用はかかりますが、子供の特性にあった自転車を購入することで、一般的な自転車にはない楽しみ方をすることができます。
保護者がクロスバイクやロードバイクなどスポーツサイクルに乗っている場合は、こういった購入計画を検討してみてはいかがでしょうか。
こだわりタイプは、なるべく早い時期に自転車へ移行し、自転車の楽しさを親子で共有することを目的にしています。
そのため、最初に購入するのはペダルなし自転車から幼児用自転車に変身するへんしんバイク®︎がお勧めです。
へんしんバイクの一番の特徴は、ペダルなし自転車にギアを取り付けることができるという点です。
また、最初からブレーキが付いているため、遊びながらブレーキを使うことを身に付けることができます。
ギアを取り付ける時は、新しく漕ぐという作業が発生するものの、それ以外は使い慣れた自転車であるため子供にとっては安心感があります。
実際に使用した子供の中には、ものの数十分で自転車デビューができたという人もいます。
自転車を乗る練習が要らない、また、乗り慣れるまでの危険な時間が少なくなるという点は、保護者にとってもメリットが大きいと思います。
一般的なペダルなし自転車よりも高価になりますが、あまり乗っている人がいないので被らないというのは子供にとっても特別なものになりそうです。
こだわりタイプは、2台目以降もこだわりを発揮しながら自転車を選んでいきます。
特にヨーロッパ中心とした海外メーカーは、国内ブランドにはないデザインの子供用自転車を発売しており、自転車が好きな保護者には魅力的です。
販売店が限られているのがネックですが、比較的入手しやすいものとしては、GIOSのジェノバ、TREKのプレカリバーなどがあります。
またヨーロッパではないですが、ルイガノ(カナダ)の子供用自転車は、国内チェーンの自転車屋での取扱が多く、比較的安価に入手できます。
ただし、国内に流通しているルイガノの多くは、サイクルあさひがライセンスを取得して製造しているものなので、正確にいうと輸入自転車ではなく海外メーカーのライセンス商品(日本の自転車メーカー製造している)となります。
ともあれ、海外メーカーのデザイン性と、国産自転車の実用性を兼ね備えた自転車であると言えます。
いずれの自転車も、一般に販売されている子供用自転車の1.5倍〜2倍程度となりますが、ロードレース用の自転車を作っているメーカーだけに乗り心地や耐久性はワンランク上である印象です。
小学校3・4年性くらいから、一人で習い事に出かける機会が増えますので、「かっこいい自転車乗ってるね!」と声をかけられることが増えそうです。
MTBをベースにしたデザインで、子供っぽさがない分引っ張って乗れますし、ノーメンテナンスで乗り倒す前提ならコスパが良いとも考えられます。
しかしながら、一度海外メーカーの自転車に乗ってしまうと、一般的なシティサイクルでは物足りなくなってしまう可能性があります。
保護者も自転車が好きなら、同じブランドで合わせたり、ロードレースやトライアスロンのような本格的なレースに出たいと思うかもしれません。
夏休みに自転車で遠くまで出かけたり、輪行といって一緒に船に乗れたりするのもこういった本格的な自転車の楽しいところです。
子供用自転車に少し費用をかけるだけで、練習に行くのが楽しくなったり、親子の楽しみがひとつ増えると思うと、そんなに高い買い物ではないように思います。
今回は、子供が乗る自転車はどのようなものが良いのか、また買い替えのタイミングはいつなのかについて考えてみました。
例に挙げた3タイプそれぞれにメリット、デメリットがあるため、子供の意向やライフスタイルに合わせて選んでいくのが良いと思います。
子供がサッカーをしているなら、移動している時もかっこよくあって欲しいものですよね。
最後に、大切なお知らせです。
サッカーをする子供の自転車に、カゴをつけた方が良いか迷っているあなた。
もし、迷っているならカゴは付けなくてよいと思います。
なぜなら、カゴに重たい荷物を載せるとフラフラして危ないですし、基本リュックなのでカゴがなくても十分やっていけるからです。
そして、イケてる上の学年のお兄ちゃんはクロスバイクやMTBのようなスポーツタイプに乗って、颯爽とグラウンドにやって来ます。