保護者が話す「あの子は上手い」や「あのチームは強い」があてにならない理由

「明日〇〇と試合やねんけど、やっぱり強いかな」

「トレセン行ってる子いるし、みんな上手いもんな」

「去年ベスト4のチームやと、勝つのは難しいかもね」

 

子供がスポーツをしている保護者の間では、日常的に『上手い子』や『強いチーム』についての会話が行われます。

『上手い子』や『強いチーム』の情報は、多くの人の関心があり刺激的な話であるからです。

ところが観戦を続けていると、保護者が言う『上手い子』や『強いチーム』と、自分が思う『上手い子』や『強いチーム』にズレがあることが出てきます。

今回は、保護者が話す「あの子は上手い」や「あのチームは強い」があてにならない理由について考えてみたいと思います。

 

保護者が話す「上手い」や「強い」の基準はバラバラである


保護者が話す「あの子は上手い」や「あのチームは強い」の基準は、実は人によって異なっています。

なぜかというと、ある人は「チームの中で」、ある人は「この辺りの地域では」という見えない枕詞が付いているからです。

この枕詞を補完せずに鵜呑みにしてしまうと、間違った情報で理解してしまうことになります。

 

特にジュニア世代では、体の大きい子や得点を決める子が目立つので、一般的に上手いと称されがちです。

年齢や学年がバラバラのチームの場合は、高学年の選手が背が高く得点を決める機会が多くなります。

周りで見ている低学年の保護者は、「やっぱり上手いなぁ」となりますが、この言葉を真に受けていてはなかなか上達しません。

 

また、保護者が「あのチームは強い」という場合も、どこを基準にしているのかを見極めなければなりません。

実際に対戦したことがあれば良いですが、意外とイメージだけで言っていたり、別の学年の試合結果を見て言っていることがあるからです。

中には、他の保護者から聞いた情報をそのまま伝えていることもあります。

このように、サッカー観戦で「あの子は上手い」や「あのチームは強い」という話を聞いた時は、どこを基準にしているかを補いながら聞いたほうが良いと思います。

 

保護者が話す “ トレセン ” にも色々ある


「あの子、トレセン行ってるらしいよ」

“ トレセン ”と聞くと「すごい!」となりがちですが、トレセンの種類によっては門戸を広く設けられている場合があります。

地区トレセンは指導者の推薦があるため、参加者のスキルにバラツキがあることも多いです。

中には、強豪チームであっても、指導者の意向でトレセンに選手を参加させていないというチームもあります。

 

地区トレセンなのか、都道府県トレセンなのか、優れた指導者や有名選手が集合するナショナルトレセンなのか。

保護者が話す “ トレセン ”にも色々あるということを知っておいたほうが良さそうです。

トレセンに行くメリットはもちろんありますが、あくまでも育成方法のひとつであることを理解しておくべきです。

子供がジュニアサッカーを始める時に、サッカー未経験の保護者が気になること

 

ネットで見る試合結果をあてにしてはいけない


試合で対戦する相手チームのHPで、過去の試合結果を見る。

自分たちが戦ったことのあるチームに勝っているのか、負けているのか。

主要な大会でベストいくつまで行っているのか。

大事な試合前には、お互いのチームでこういった過去の試合結果の情報収集が行われています。

 

過去の試合結果は相手の力量を知る要素ではありますが、結果だけではなくどういう内容だったかも合わせて収集できると良いと思います。

同じ1-0でも完敗の場合と接戦の場合があるからです。

セカンド中心のメンバー構成だったり、主力選手が上の学年の試合で抜けている可能性もあることを知っておきましょう。

 

特に公式戦が近づいてくると、それまで格下と思っていたチームがメキメキと力を付けてくる場合があります。

ジュニアサッカーでは移籍したり新しく入る選手が頻繁にいることを考えると、一年以上前の試合結果はあてにならないかもしれません。

また、強豪チームであっても、学年によってはメンバーが集まらない年もあります。

名前を聞いただけで「強い」「弱い」を安易に判断せず、実際の試合を見たり、同じ視点で話す保護者であるかどうかを判断したほうが良いと思います。

 

子供たちを惑わせる保護者の何気ない言葉


サッカーを見守る保護者は、何気ない気持ちで「あの子は上手い」や「あのチームは強い」という言葉を使いがちです。

しかしながら、その言葉にははっきりとした根拠ががない、イメージ先行の情報になっている場合もしばしばです。

その逆で、「あそこには勝てる」「そんなに上手くない」と、戦う前に相手を過小評価している場合もあります。

そういった保護者の言葉は、回り回って子供たちを動揺させ、無意識に負けに導いているかもしれないということを知っておくべきです。

 

サッカーのように相手がいるスポーツでは、相手をリスペクトしすぎたり過小評価することによって自分の実力を発揮できないことがあります。

そうした墓穴を掘らないためには、曖昧な情報を避け、事実に基づいた情報を見極める技術が必要となります。

特にタイトルのかかった公式戦や、卒業間近の大会では、自分たちの力を出すことに集中した方が良い結果が生まれているように思います。

 

相手が誰であろうと自分たちのサッカーをする。

今まで頑張ってきたことを思う存分発揮する。

試合前に子供たちにかける言葉は、憶測やイメージからくる曖昧な言葉ではなく、「あなたたちはこんなに良いチームなんだ」「今まで見てきたから大丈夫」という保護者の自信を持った言葉であって欲しいと思います。

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