子供がサッカーの練習をしたくなった時に限って、雨だったり、夜だったり、親があんまりやる気にならなかったり、、、。
突然やってくる子供が思い立った日は、親子で室内でできるキックの練習がお勧めです。
限られたスペースの中でも効率よく、普段は見過ごしがちなトレーニングがじっくり行えます。
ボールをまっすぐ蹴る、まっすぐ転がす練習
子供がボールをまっすぐに蹴っているかどうかは、動画を使って確認します。
親が足を開いて子供の正面に立ち、股の間を狙ってボールを蹴ってもらいます。
大事なのは股を通ることやキックの強さではなく、ボールがまっすぐ転がっているかどうかです。
実際にやってみるとわかるのですが、まっすぐ転がすというのはとても難しいことです。
ボールの中心(芯)を蹴らないと、斜めに回転がかかり力が伝わりません。
また、軸足の向きや足の振りがしっかり目標を向いていないと違う方に転がっていきます。
強く蹴ることよりもまっすぐに蹴ることを意識して練習します。
キックを使い分ける練習
ボールの軌道を確認したら、次はどんなキックを使っているか観察します。
サッカー未経験の子供が初めに覚えるキックは、インサイドキックとインステップキックです。
インサイドキックは、足の平らなところで押し出すキック。ボールを板で押し出すイメージ。
インステップキックは、大きく足を振って当てるキック。ボールをバットで当てるイメージです。
ジュニアサッカーの試合で使われるキックの約6割がインステップキックです。
ところが、ジュニアユース~ユース世代と、筋力が上がるにつれこの割合は減っていきます。
ワールドカップの試合で使われるキックの約6割はインサイドキックが占めます。
ボールをまっすぐに蹴るというのが目的であれば、インサイドキックを使った方が成功する確率が上がります。
正確さを求めるならインサイドキック、遠くに飛ばすならインステップキックです。
サッカーを始めたばかりの子供は、常にインステップで強く蹴っていることがあります。
これでは試合中にパスを繋ぐことができず、シュートもなかなか入りません。
キックを使い分けることが、良い選手になる条件だと考えています。
ボールを獲られない選手になる練習
なでしこジャパンの影響もあり、最近では強豪と呼ばれるチームの中で女の子を見かける機会が増えています。
サッカーが上手い女の子の特徴のひとつに『ボールを獲られない』というのがあります。
フィジカルでは負けてしまうので、体を寄せられない場所にトラップをし、相手が届かないスペースへパスを通します。
派手さはありませんが、ボールをキープできる、ボールを失わない選手というのは相手にとってとても嫌な存在です。
フィジカルの影響が大きい「運ぶ」「走る」部分では負けていても、「止める」「蹴る」の技術を磨くことでその弱点をカバーしています。
特に「蹴る」技術の高い選手は、他の選手を活かすことでゴールのチャンスを生み出します。
親と子供が3~4mくらい離れて向き合います。
子供の足元に直径50~80cmくらいの円をイメージします。(テープを貼るとわかりやすいです)
親が円に向かってボールを出し、子供はボールが円の中で止まるようにトラップします。
そして、円の中から親の足元へパスを出します。
子供が慣れて来たら、親は円の少し外側へパスを出します。
子供は円の内側へトラップをして、円からボールが出ない間にパスを返します。
大事なのはボールを円の中に収めることです。
常にボールがコントロールしやすい場所(ホーム)にあるので、相手に獲られる確率が下がります。
成功と失敗の基準を明確にしよう
サッカーの「止める」「蹴る」技術を磨くには、トラップやキックの成功と失敗の基準を明確にすることが重要です。
そして親も一緒にやってみることが大切だと考えています。
実際にやってみると、見ているより何倍も難しいことが分かるからです。
親が見るポイント
- 円の内側にトラップができているかどうか
- 円の内側からパスを出せているかどうか
- 相手の足元にパスを出せているか
- 得意な場所、苦手な場所はどこか
98本/試合、成功率87%。これはあるプロサッカー選手のパス数とパス成功率のデータです。
1試合あたり約100本ものパスを出しており、そのほとんどが成功しています。
このように、一流選手にとってキックの技術は欠かせないものです。
ジュニアサッカーにおいても同様です。
ゴールした選手よりも、その前のトラップやパスを出した選手が得点のきっかけになっていることがあります。
足元に吸いつくようなトラップをして、ゴール前に鋭いパスを出す子供の姿を想像してみてください。
チームにとって頼もしい姿に見えませんか?