少年サッカーの応援とコーチングの境目はどこにあるのか

少年サッカーの試合は、保護者にとっても力の入る楽しみなイベントのひとつです。

広い芝生の上で、ピッチを駆け回る子供たちと勝敗を分かち合う瞬間は、何物にも代え難いものがあります。

 

大きな大会になると、宿敵のチームとの対戦になることもあり、コーチや観客から様々な声援が子供たちに対して掛けられます。

保護者にとっては、応援とコーチングの境目が分かりにくく、「ここで声を出しても良いの?」と迷う場面があります。

また、サッカーを知っているお父さんなら、ついつい熱くなって声が出てしまったという経験もあるのではないでしょうか。

 

その声は、誰に向けられているか


多くの声援は、自分の子供、プレーしている選手、チーム全体、相手選手に対して送られています。

応援とコーチングの違いは、誰に向けて声を出しているのかが関係しているように思います。

具体的な選手やプレーに限定するほど、聞いている人は指示と捉えてしまうからです。

 

多くの観客は、プレーしている選手や自分の子供を見ているので、どうしても1人に対して声援を送りがちです。

「シュート!」「行け!」「ドリブル!」「止めて!」「ファウル!」

保護者からもよく聞かれる声援ですが、文字にしてみると、どれも指示語になっています。

最初は聞き流せても、白熱し声が大きくなってくると選手やコーチにとってはノイズになるかも知れません。

また、自分の子供にだけ声を出している保護者は、周りの観客にとっても迷惑な存在です。

 

そんな時は、選手個人ではなく、なるべくチーム全体に向けて声援を送ると良いと思います。

「声出そう!」「フォローしっかり!」「集中して!」

チーム全体への声掛けに変えることで、少々声が大きくなっても気にならなくなります。

少年サッカーの応援で聞こえてくる用語を解説する

 

ジャッジへの不満、相手チームの噂話はチームの評判を悪くする


主審の判定に対して「あれはハンド」「完全にオフサイドなのに」とずっと不満を漏らしている光景を見ることがます。

文句や不満を言っている声は、小さい声でもよく聞こえます。

前向きに試合をしている選手にとってはノイズになるので、判定は変わらないと割り切って次のプレーに集中した方が得策です。

 

「結構ファールを流す主審だな」

「オフサイドきっちり取るな」

試合序盤でジャッジの傾向を読み取って、主審を味方につけていく。

そういった選手の方が試合巧者、強いチームになれるように思います。

 

また、相手選手やコーチの噂話をしている保護者もいますが、これはチームの評判を悪くする原因になります。

気持ちが良い噂話なら良いですが、悪い話であれば「このチームのこと知らないのに!」と思うでしょう。

大きな大会などでは、すぐ隣で対戦相手の保護者が観戦していることもあるので気を付けましょう。

 

さぁ、子供たちの背中を押す応援をしよう


応援はチームの温度差が様々で、保護者が揃って応援するチームもあれば、ただ静かに見守っているチームもあります。

私たちは、マナーを守り試合の妨げにならない応援であれば、観客である保護者も声を出した方が良いと考えています。

 

良いプレーや白熱した試合をするとみんなから称賛され、消極的なプレーや不甲斐ない試合をするとみんなで落ち込む。

これをひたすら我慢するのは大変です。

周囲が静かだとためらいがちですが、素直で忖度のない評価を受けた方が子供たちのためになるのではと考えています。

 

PLAYERS FIRST!


JFAではPLAYERS FIRST!の方針に則り、「めざせ!ベストサポーター」という保護者向けのガイドラインを配布しています。

観戦者が増えてきたことで、保護者の育成や応援マナーがしばしば問題となっていることが背景にあるのかもしれません。

あなたは、子供が試合をしている前で、おしゃべりに夢中になっていませんか?

サッカーの応援で使うタオルマフラーのようなシフォンスカーフ

 

相手チームを称える声援は、会場を幸せにする


本当に素晴らしいプレーに対して、相手チームのコーチや保護者から自然に拍手が起こる光景を見る時があります。

勝敗に関係なく相手チームを称える言葉や歓声は、聞いていて気持ちが良いものです。

プレーした選手は、仲間から褒めてもらう以上にうれしく記憶に残っていきます。

ジュニアサッカーを教育の場として捉えるのであれば、フェアプレー精神はこういうところからも育まれているように思います。

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