「子供が地元のサッカーチームに入ったものの、まだ保護者の知り合いがいない」
「基本的には一人で観たいけど、ちょっと話せるお父さん友達が欲しい」
「いつも子供がお世話になっているお父さんと話せるようになりたい」
ジュニアサッカーをしている子供がいる家庭であれば、このように考えているお父さんは多いと思います。
お母さん同士のコミニティは自然発生的に生まれることが多いですが、お父さん同士のコミニティは何かきっかけがないと生まれづらいように思います。
今回は、お父さん同士のコミュニケーションを一歩進めるための話しかけ方について考えてみたいと思います。
サッカー観戦に来ているお父さんは、ひとりでも楽しい
子供の試合を観に行くと、周りにいるのはだれのお父さんだろうと気になってしまいますよね。
話しかけた方が良いのかなと思って挨拶するものの、特に話題がなく微妙な空気になってしまうことがあります。
お父さんの中には、この最初の壁が超えられずに観戦に行かなくなったという人が多いのではないでしょうか。
ここで押さえておくことは、観戦に来るお母さんとお父さんでは観戦のめあてが異なるという点です。
お母さんは、試合観戦だけでなくお母さん同士のコミュニケーションも楽しみのひとつになっています。
一方で、観戦に来るお父さんは純粋に試合を観ることを楽しみに来ている人が多いです。
そのため、お母さんと同じスタンスで楽しもうとすると無理が出てしまうように思います。
Jリーグやプロ野球の観戦でスタジアムに行くと、スタンドの上の方で一人で観ているお父さんがいます。
静かに観て試合が終わるとすぐに帰るのですが、次の試合も同じところで同じように観ています。
これと同じで、観戦に来るお父さんは試合さえ観ることができれば、ひとりでも楽しめる人がほとんどです。
逆に言うと、誰かと一緒じゃないと試合を楽しめないお父さんは、つまらないと感じるかもしれません。
どこまで仲良くなりたいのか考えてみる
ジュニアサッカーにおいて、保護者間のコミュニケーションで難しいのが、関係性が密になるほど見えなくてよいものが見えてくるということです。
『隣の芝は青く見える』という言葉がありますが、一度知ってしまうとそこから推測したり比較したりしてしまうのが人の性です。
特に団体競技は、チーム内での競争があり色々と比較してしまいがちです。
サッカーだけであれば良いですが、仲良くなるとプライベートな情報も垣間見えるため、かえって付き合いにくくなってしまう可能性があります。
チームのコミニティにどっぷり浸かって過ごしたいのか、ある程度さらっと付き合いたいのかによって選ぶチームや試合会場での付き合い方も変わってきます。
例えば「今日は試合をじっくり見たいな」と思っていても、話好きな保護者が近くに来るとそういうわけにいきません。
立ち居振る舞いを間違うと、サッカー以外のところで悩みを抱えてしまう可能性があります。
仲良くなることは大切ですが、どこまで仲良くなりたいのかを考えて行動するほうが、長い目で見ると良いように思います。
【すぐに使える】お父さんへの話しかけ方とタイミング
■挨拶する時に、天気の話をしてみる
天気の話は、誰に対しても使うことができる話題です。
「おはようございます。今日は暑いですね」「おはようございます。雨やんでよかったですね」
と挨拶の後に間を開けずに話すと、そのまま会話を続けることができます。
他愛のない会話かもしれませんが、会釈だけの挨拶から一歩進むことになります。
■お世話になった時に話しかけてみる
家に遊びに行った、お土産を貰った、送迎をしてもらったなど、子供が何かお世話になった時にお礼を言うのも自然な話しかけ方です。
「お世話になりました」と言われて嫌な気持ちになる人はいません。
お母さんがお礼を言っていたとしても、重ねて言うことで「ちゃんとした家族だな」という印象を与えることもできます。
■試合以外の場所で会った時、もしくはその次の時に話してみる
普段はあまり接点のない人でも、思いがけない場所で会うと親近感がわくことがあります。
例えば近くの公園やスーパーでばったり会った時は、「この前は勝ててよかったですね」「残念でしたね」などと話してみる。
もしくは、試合以外の場所で会った次の時に、「良く行かれるんですか?」「ご自宅近いんですか?」と話すと距離が縮まります。
■良い試合の後に話してみる
いい試合の後は、誰でも喜びを分かち合いたい気分になっています。
そんな時は「いい試合でしたね」の一言があると、そこから話が広がるかもしれません。
サッカー好きのお父さんなら、試合の分かれ目となったプレーについて感想を言ってくれるかもしれません。
ある意味、一番自然な形で仲良くなれる方法であると言えます。
■話しかけられた時に話してみる
面識のない人に話しかけられるとドキッとしてしまいがちですが、ある意味相手が話したいなと思っている時とも言えます。
仲良くなりたいなと思ってもらえるチャンスなので、話を聞きいてみると良いと思います。
■話しかけられやすい位置に立ってみる
話しかけたいなと思っていても、誰かが側に居たりするとなかなか話しかけることができません。
トイレの近くや建物の日陰など、そこに行く用事がありそうなところに立っておくと、色々な人と接点を持つことができます。
また、夫婦でずっと一緒に観ているお父さんも話しかけにくい人と言えます。
裏を返すと、お母さん同士のコミュニケーションの邪魔にもなっているので、時々離れて観戦したほうがお母さんにとっても良いでしょう。
また、座っていると話しかけにくく、立っておくことが重要になります。
■好きなJクラブが同じお父さんに話してみる
Jリーグの試合を観に行った時に、チームメイトの家族を見かける機会は良くあります。
好きなJリーグのチームが同じお父さんなら、チームや最近の試合結果の話をするだけで盛り上がることができます。
試合会場で会うたびに、お互いの感想が聞けるので面白いかも知れません。
お父さんは解説が大好き
プロ野球中継や日本代表の試合で、家族が聞いてなくても戦術の解説をしているお父さん。
このような光景は日本だけでなく、世界中の家庭で見られています。
それくらいお父さんは解説が好きであるということです。
今まで挨拶だけだったお父さんと話してみると、今まで気付かなかった視点から観戦していることがあります。
試合をどう見るかというのはそれぞれですが、勝敗や得点差の背景にある理由が論理的に言語化されていると聞いている方も心地良くなります。
また、自分が心の中で唱える解説と合致することで、より共感を覚えるという訳です。
今回はお父さんがお父さんに話しかけるシーンをイメージしていますが、お母さんがお父さんに話しかける場合でも使えるものがあります。
ひとりで観たいんだという人もいるかもしれませんが、試合が終わった後や時間が空いた時など、話し相手になってくれる仲間がいるとより観戦が楽しくなります。
大人になってから好きなものが同じ仲間を作る機会はなかなかありません。
ジュニアサッカーの観戦を通じて、好きなサッカーについて語り合える場を作ってみてはいかがでしょうか。