私たちが行うサービスのひとつに、『リフティング100回を達成した人に、表彰カードを無料で送る』というサービスがあります。
このサービスには、コミュニケーションデザインという考え方を取り入れています。
一般的にコミュニケーションデザインとは、人と人、企業と顧客の間に生まれるコミュニケーションをデザインすることとされています。
企業であれば顧客に対してどうアプローチしていくかを設計したり、自治体であれば住民との関係を予め描いてから街づくりを行うことに例えられます。
コミュニケーションという名の通り、どちらかからの一方的なものでなく、相互に起こる感情や行動を見込んでデザインしている点がポイントです。
さらには、これから起こるであろう問題を自然治癒的に解決する方法が内包されているかどうかが、コミュニケーションデザインの真価が問われるところであると言えます。
この『リフティング100回を達成した人に、表彰カードを無料で送る』というサービスを始めるにあたり、私たちには解決したい問題がありました。
それは、リフティングを誰が教えるかという問題です。
リフティング練習の問題を解決するためのコミュニケーションデザインとは
リフティング100回を目指す子供とそのお母さんがいるとします。
お母さんができる練習はふたつで、自ら子供に教えるか、自分以外の誰かに教えてもらうかです。
おそらく多くのお母さんは未経験であるため、誰かに教えてもらう方法を取っていると思います。
しかしながら、近所のサッカースクールではリフティングを教えていなかったり、練習時間が短かったりします。
一人で努力する孤独の中で、経験者が語るサッカーが上手くなるためにリフティングは必要ないという話を聞いたりもします。
『リフティングを100回できるようになりたい』という本来の目標は、誰かを頼るごとに希薄化していきます。
この問題の原因は、『たくさんの人が関わること』にあるのではないかと私たちは考えます。
子供たちがリフティングをできるようになりたいと思う理由は、単純に「一番になりたい」だったり、「友達に負けたくない」という気持ちです。
これは、ポケモンバトルやマインクラフトの世界とよく似ていて、特に同年代との比較や競争が技術の向上につながっています。
共通するのは、教えるのも子供であり評価するのも子供で、熱量の低い大人は周りで見ているだけという点です。
このコミュニケーションをデザインすることが、リフティング練習問題の解決に繋がるのではないかと考えています。
リフティング100回を達成した人に、表彰カードを無料で送るサービス
そこで、同じ目標を持った仲間が緩やかにつながり、練習を見せっこしたり競争できるような仕組みを考えました。
ゲームと同じで、やりたい時はいつでもできて、やりたくない時はやらなくてもいいくらいの緩さ。
他の子がどんな風に練習しているかが見れるようになってて、生まれて何日目に100回達成できたかが自分の記録になる。
そして、目標を達成すると知らない誰かから表彰カードが届くというサプライズがある。
この仕組みをつくることで、「ひたすら練習するのみ」であったリフティング練習が少し楽しい練習になりそうです。
私たちから届く表彰カードは、上手くなる過程であるリフティング100回がいつだったかをかたちにして残します。
カードを見ると投函した日の消印と共に、生まれてから何日目に達成したかが分かるようになっています。
費やした熱量が、その人らしさになる
リフティングが100回できる先生、リフティングが100回できる保母さん、リフティングが100回できる総理大臣、リフティングが100回できる100歳。
こうして並べると、『リフティング100回できる○○』ってすごい気がしませんか。
しかも、リフティングは足で100回、頭で100回、二人で100回と達成する方法は何通りもあります。
こうして考えると、リフティング100回を達成するという目標は、方法や人数によって楽しみ方が増えていきます。
一流選手のリフティングを見ると、こんなボールの蹴り方があるのかと感心してしまいます。
そこにはボールと向き合った長い時間が隠れていて、「この蹴り方、俺が考えたんだ。すげえだろ!」と言っているように見えます。
ボールを地面に落とさないように蹴りつづける。
このひとつのルールがあるだけで、誰でも自由に参加できます。
サッカーが上手くなるための必須項目でないと言われるリフティングをなぜするのか。
それは、リフティングができるようになることで、よりサッカーを楽しめるようになるからだと思います。
そしてリフティングに費やした熱量は、いつのまにか「他の人と違うところ」や「その人らしさ」になっていくように思います。
自分の目標のために使うお金の一部が、仲間を応援することに使われる。
そして目標を達成することでまた自分に戻ってくる。
そんなちょうどいい距離感のコミュニケーションを創造しています。
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