2019-2020年のヨーロッパチャンピオンズリーグ(CL)は、バイエルン・ミュンヘンの優勝で終わりました。
パリ・サンジェルマンとの決勝戦は、バイエルン・ミュンヘンのハイプレスを巧みなパスワークでパリ・サンジェルマンが交わしながらカウンターを打つといった、前半から激しく攻め合う展開となりました。
残念ながら敗れてしまったパリ・サンジェルマンですが、2年連続決勝に進んでおり悲願の初優勝に向けて着実に歩みを進めています。
そのパリ・サンジェルマンで右サイドの要であるアンヘル・ディ・マリア。
自信のインスタグラムでサッカーを愛するすべての人へメッセージを送っています。
今回はディ・マリアの言葉を紹介したいと思います。
サッカーを愛する全ての人へ
「月曜日は何をした? 練習に行った」
「火曜日は何をした? 練習に行った」
「水曜日は何をした? 練習に行った」
「木曜日は何をした? 練習に行った」
「金曜日は何をした? 練習に行った」
「週末に何かしない? できない。試合があるんだ」
「練習が終わり、バッグを腕に下げたまま少し立ち止まり、フィールド、土、小石、芝生、僕たちがプレーする場所を見ていた。
僕たちが何度も倒れ、膝、腰、ひじ、手を擦りむいた場所にあるその土や小石…。試合中にスパイクの中に残り、不快にさせたその土や小石…。
土で家中を汚し、母親が『シューズとソックスを脱いで真っ直ぐシャワーに行きなさい』と言うのが聞こえる」
「毎年タイトルを勝ち取るために、僕たちに力を与えるのは何だろう?」
「日曜日は寝るのが好きだと、みんな君に言う…。フットサルの方がいいと、君の友達が言う…。一度も一緒に過ごしたことがないと、君の恋人が言う…。勉強することや働くことを考えなさいと、君の親戚が言う…。君は心の中で考え、そして笑う…」
「君にとってサッカーが何を意味するのか、彼らは知っているのか」
「試合前日に君を眠らせないプレッシャーや緊張について、彼らは何を知っている?」
「君が怪我や病気を抱えながらプレーした試合について、彼らは何を知っている?」
「君がゴールを決め、チームメイトが必死に抱きついてくる時の感覚について、彼らは何を知っている?」
「君が練習に遅刻しないようバスまで走った回数を、彼らは知っている?」
「監督がメンバーを告げる時、君がどれほど深く呼吸しているかについて、彼らは何を知っている?」
「友達がバカンスを楽しんで過ごしている間、プレシーズンを行う2月に君が暑さでどれほど大変かについて、彼らは何を知っている?」
「君の人生――友達の笑いや涙――を形作る人々と毎日集まることについて彼らは何を知っている? 」
「君が練習で過ごした雨のことについて、彼らは何を知っている?」
「土、小石、芝生、10人と君、相手の11人、1つのボール、長く乾いたホイッスル。これが僕たちの人生だ。彼らは何を知っている?」
「多くの人々は、サッカーは人生と何も関係ないと言っている。僕は彼らが人生についてどれだけ知っているのかは知らない。でも、サッカーについて彼らは何も知らない!!」
ディ・マリアinstagramより引用(和訳)
サッカー好きにとって、パリ・サンジェルマンは『気になる』チームです。
それは単に人気選手がいる強いチームであるだけでなく、なんとなく他のチームと違う雰囲気を感じるからです。
高級ブランドが並ぶ通りに直営店があったり、パリの老舗セレクトショップであるコレットで取り扱っていたり、ジョーダンブランドやローリングストーンズとコラボレーションしたり…。
サッカー好きはもちろん、ファッションが好きな人が気になるアイテムを並べています。
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ヤンキースがそうであるように、PSGやユベントスなどのビッグクラブは、ファッションアイコンとしてのブランディングを進めています。
手頃な値段で、おしゃれで、手軽にステータスを身に付けることができる日常着。
パリ・サンジェルマンのユニフォームは、スタジアムで応援する時の服から、実用的なファッション性を兼ね備えた服へと着実に進化しています。
ファッションが国の主要産業であるフランスにとって、国際的に影響力のあるビッグクラブをつくり、競技を通じてブランディングしていく戦略はとても正しい選択であると言えます。
自国のスター選手だけでなく、ライバルチームから有望な選手を引き抜いたり、経済的にポテンシャルの高い地域の選手を獲得したり、勝敗以外のビジネス的要素で駆け引きが行われているのもサッカーの面白いところであるからです。
ネイマールやエムバペと比べると、チームを陰で支えるイメージの強いディ・マリア。
彼のメッセージからはストイックな一面が感じ取れますが、これも彼をイメージづけるブランディングのひとつなのかもしれません。
大きな星の横で静かに輝く星。
この方がディ・マリア自身の価値がより評価されると思うからです。
なぜフランスがサッカーの競合国として成長して行けるのか。
パリ・サンジェルマンを見ていると、周りの国々を巻き込んで、自国の力にしていく巧さがそうさせているように思います。