「サッカーシューズがすぐボロボロになって困る…」
「子供のスパイクは汚くて臭いから触りたくない…」
毎日のように使う子供のサッカースパイクやトレーニングシューズには、お母さんの悩みが隠れています。
前回は、子供がひとりでできるサッカースパイク・トレーニングシューズの手入れ方法について考えてみました。
しかしながら、子供がひとりで手入れをするようになったとしても、補修となると子供ひとりではできないこともあります。
今回は、サッカースパイク・トレーニングシューズの補修メンテナンスと買い替えのタイミングについて考えてみたいと思います。
サッカーシューズとスパイクは一番の消耗品
サッカーは比較的道具が少ないスポーツですが、子供が上達するにつれシューズ代が結構かかることを実感します。
例えば、一般的なジュニア世代の子供ならこれくらいは持っていそうです。
- 普段履き兼トレーニングシューズ 2~3足
- 試合用スパイク 1~2足
- インドアシューズ 1足
常時4~5足をローテーションしながら、半年から1年ごとに買い替えるイメージです。
シューズだけで考えても結構な金額となるため、できればなるべく長く使ってくれた方が保護者としては助かります。
普段履きはセール品や特売を利用すると良いですが、試合用のスパイクはある程度良いものを買ってあげたいと思ってしまいます。
公式戦が始まる高学年になると、雨の日用や替えとしてもう一足欲しくなります。
高いものでは1万円を超えるので、誕生日やクリスマスプレゼントはスパイクという子供が増えるのはそういった理由があるからかもしれません。
初期段階のメンテナンスが寿命を延ばす
スパイクやトーレーニングシューズなど、頻繁に使う道具は初期段階のメンテナンスが重要になってきます。
汚れや破れがなるべく小さいうちに補修しておくと、結果的に長く使えるというわけです。
メンテナンスは子供だけでは難しいので、仕上がりの確認と同時に保護者がしてあげると良いと思います。
1.裂け目補修
アッパーとソールの境目は、ボールを蹴るときにめくれやすい箇所です。
放っておくと裂け目が大きくなるので、小さいうちに接着剤で留めていきます。
小さな裂け目はゼリータイプの瞬間接着剤がお勧めです。
乾燥時間が早く、匂いもないため応急処置で使うにはちょうど良いと思います。
かかと部分のめくれや、つま先部分のステッチのほつれも、接着剤で留めておくと広がりを防止できます。
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補修部分を大きく埋めたい場合は、靴底用の接着剤が使いやすいと思います。
靴用接着剤は乾いた時に固くならないのが良い点ですが、乾燥まで時間がかかるのと揮発性のボンド特有の匂いがあります。
上手く接着できるようになるまで、少し練習が必要かもしれません。
靴底補修用接着剤は、サッカーボールの補修にも使えます。
サッカーボールは使っていると表面が少しずつ剥がれてきます。
この剥がれを放置しておくと、ボールが水分を含んだりパンクする原因になります。
剥がれを埋めるように接着剤を塗っておくと、さらに大きくなるのを防ぐことができます。
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2.ヒールカップ補修
つま先の次に傷みやすいのがかかと部分です。
かかと部分はシューズを脱ぎ履きするときに擦れたり踏まれることで徐々に破れてきます。
まずはかかと部分の毛玉や毛羽立っている糸を切ってきれいにします。
次に、破れているところの縁や内側を中心に、布用接着剤を塗っていきます。
塗りすぎると固まった時に靴ずれの原因になるので、指を使ってなるべく薄く塗り広げます。
今回使用した接着剤は、ほとんどが100円ショップで販売されています。
スパイク専用の接着剤も販売されていますが、とりあえずというのであれば一度使ってみても良いと思います。
買い替えのタイミングの見極め方
丁寧にメンテナンスをしていても、いつかは買い替えのタイミングがやって来ます。
買い替えのタイミングはとても難しく、また買い替えたい時に欲しいものが売っていないこともしばしばです。
特にきれいな状態を保っていると買い替えタイミングを見逃しがちなので、保護者が見極めてあげる必要があります。
見るポイントはこの2つです。
- つま先周りの破れ
- ポイントの減り
つま先周りはボールを蹴る時に一番酷使するところです。
ここにダメージがあると、足に力が入らずボールをコントロールしにくくなります。
また、ボールを蹴ったり相手に踏まれたときにケガをしやすくなります。
補修が難しい程度のダメージがある場合は、買い替えのタイミングであると言えます。
ふたつ目は、靴底のポイントの減りです。
ポイントが減るとグラウンドを上手く捕らえることができないので、機敏性に欠けたりこけやすくなります。
特に雨の日のグラウンドは滑りやすく、転倒しそうになってついた手を骨折した話はジュニアサッカーでよく聞く話です。
このスパイクの画像を見ると、一見まだポイントが残っているから大丈夫と思ってしまいがちです。
しかしながら、実際には泥や芝がポイントの間に挟まるため、想像以上に滑りやすいスパイクになっています。
この状態であれば、まだ履けるスパイクであるものの買い替えのタイミングであると言えます。
一方、見極めが難しいのがトレーニングシューズです。
トレシューは靴底のポイントが小さいため、買い替えのタイミングを逃してサイズアウトするまで使いがちです。
トレシューの靴底は概ねゴム製であり穴が開くことはまれですが、凹凸がなくなってツルツルになっている場合があります。
靴としてはまだ履けるものの、雨でぬれた芝や廊下を走るとなるとかなり危険な靴になります。
画像の靴底であればまだ履けそうな気もしますが、天気や遊ぶ場所を選んで履いた方が良いかもしれません。
この辺りは子供が判断するのは難しく、保護者がタイミングを決めるしかありません。
靴底の減りを見て、体のバランスや癖を知る
靴底を見ると、履いている人の癖や重心の偏りが手に取るように分かります。
片足だけ減りが早かったり特定の箇所だけ傷みが早い場合は、体のバランスがずれている可能性があります。
特にかかとや母指球といった力の入る場所は、左右均等に力が入っているかを子供の頃から確かめておきましょう。
その他の買い替えタイミング
つま先とポイント以外の買い替えタイミングもあります。
大人が使うシューズは使う頻度が少なく、靴自体のダメージが少なく見えるので見逃しがちです。
靴紐が切れそうになっていたりゴムが劣化を始めている場合は、買い替えのタイミングであると言えます。
靴紐は引っ張ったり緩めたり踏まれたりと劣化が激しい部分です。
しばらく使わないと、紫外線の影響もあり切れたりほつれやすくなってきます。
また、ゴム部分が劣化している場合は、靴全体の寿命がきているサインです。
素材が古くなってくると、汚れが落ちなかったり匂いが籠りやすくなります。
まだ履けるシューズではありますが、心機一転で買い替えてみる良いタイミングかもしれません。
スパイクを長持ちさせるためにできること
今回は、サッカー経験のないお母さんにもできそうなメンテナンスについて考えてみました。
サッカーで使うスパイクやシューズを惜しげもなく買える家庭は多くありません。
道具を長く使うには、メンテナンスはもちろんその特徴を理解するのが大切です。
選手が大勢集まる大会に行くと、スパイクを履いたままアスファルトでボールを蹴っている子供がいますが、これはおろし金でポイントを削っているような状態です。
すり減ったポイントは元に戻らないので、どんどんスパイクの寿命を縮めていることになります。
強豪チームになると、アスファルトを歩かないようにしたり試合後はすぐに履き替えるようにしている選手もいます。
これは経験のある指導者や保護者から、道具を長く使うコツを教えてもらっているからだと思います。
洋服の好きな女性なら、お気に入りのバッグを地面に直接置かないのと同じです。
子供たちがサッカーを続けていくうえで、スパイクやボールを買うといった『消費』は避けて通れません。
ドリブルやシュートが上手くなって行く過程には、何足ものスパイクの『消費』が存在しているということです。
その『消費』は、車とガソリンの関係のように、消費の質によって性能に大きな差がでてきます。
使い古したスパイクを捨てる時に、「このスパイクはいい思い出があるから捨てたくないな」と思えるかどうか。
そういった道具に対する理解や、道具を長く使う知恵を身に付けられることは、スポーツが楽しくなる一面であるように思います。