乗る人の行動範囲だけでなく、その好奇心をもアシストしてくれる自転車『Panasonic EZ(パナソニック イーゼット)』。
前回はEZのオリジナリティを残しつつ自分好みに近づけるべくセルフカスタマイズをしてみました。
その後1年ほど乗り続けもう少しカスタムしたいと思うところが出てきたので新たにチャレンジ。
前回と同じく、『EZの個性はそのままにサイクルショップには行かず、なるべく安く仕上げる』のコンセプトは継続しています。
特別な技術や道具が必要なく、カスタム経験のない方や女性の方でもできる内容で考えています。
Panasonic EZを1年間乗ってみた感想
カスタムの説明に入る前に、EZに約1年間乗ってみた感想について触れてみたいと思います。
一言でいうと「2019年買ってよかったものランキング」の上位に入りました。
いわゆるコスパの良い買い物になったという結論です。
以下に主な理由を挙げてみました。
- 電動自転車は楽ちん。今まで乗ったことがない人ならなおさら。
- 疲れないから自転車での移動範囲が広がった。
- サドルは柔らかいものに交換して正解。
- 前カゴは必要。でも取り付け方に工夫がいるかも。
- 充電は週2回のペース。もっと容量が大きかったらいいのに。
EZを購入してからも、今まで乗っていた自転車は処分せず置いていたのですが、電動アシスト自転車に慣れるにつれ徐々に乗らなくなりました。
理由としては、1度の漕ぎで進む距離が大きく異なるので、普通の自転車がとても遅く感じてしまうからです。
また、長時間漕いでもあまり疲れないため、片道5km(往復10km)くらいのところであればEZで行くようになりました。
都心に住むマイカーを持っていない家庭であれば、1台あると行動範囲がグッと広がります。
思い立ったらすぐに出かけることができますし、駐車場で待たされたり渋滞することもないので、小さなストレスが減ったように思います。
懸念していたバッテリー容量ですが、家族で共有したり遠出が重なると2日に1回くらいのペースで充電することになります。
アシストの設定にもよりますが、満タンの状態から10kmくらい走ると50~60%になっているイメージです。
毎日そんなに走るかなと思いがちですが、子供のお迎えや買い物など、自転車を頻繁に使う方であれば10kmくらい走ることはあります。
重量が増す子供乗せのカスタムをする場合は、もうちょっと容量のあるバッテリーを別途購入した方が良さそうです。
フロント荷台を外して、前カゴとキャリアを取り付ける
前回のカスタマイズでは、元々付いているフロント荷台を残したまま前カゴを取り付けました。
そのままでも使えるのですが、少し使いづらさを感じるところがあり、取り付け方を変更することにしました。
EZのフロント荷台は車体に付けられているので、荷台にカゴを取り付けるとハンドルを切ってもカゴが動かないという不思議な自転車になっていました。
そこでフロントキャリアを新たに購入して、一般的な自転車と同様にハンドルと連動させることにしました。
すでにカスタマイズされた方を参考にしながら、GIZA PRODUCTS(ギザプロダクツ) フロントキャリアーを購入。
他にもEZに取り付けができるキャリアはあるようですが、今のカゴが同じメーカーであることと、取り付け位置が低めであることを決め手にしました。
GIZA PRODUCTS フロントキャリアー CAF01500 (amazonより)
ギザプロダクツ AL-N02 アルミバスケット M BKT08300 (amazonより)
<純正フロントバスケットはこちら>
パナソニック フロントバスケット EZ用(2023年モデル以降) NCB2225S(amazonより)
まず、荷台に取り付けている前カゴを外し、6角レンチで荷台のボルトを緩めて車体から外します。
1年間フルに使うと結構汚れていますが、これくらい汚れるというのも参考になりそうなので掃除せず撮影しています。
付属のフォークセンター(カゴの下部と車体を繋ぐ金具)は角度違いで2種類入っています。
軽く角度を合わせてみて今回はL字タイプ(上側)を選択しました。
このキャリアは、前輪にあるV形ブレーキの台座を使って取り付けます。そのため最大荷重は5kgと少な目です。
正直もうちょっと欲しいところですが、今までが2kgだったので良しとします。
EZは一般車にあるようなハンドル側のT字金具がなく、カゴの下側だけで固定する形となります。
同じようなミニベロの自転車でも、V形ブレーキでない自転車には取り付けできないのでご注意ください。
V形ブレーキのネジを外して、キャリアを取り付けます。
フォークセンター金具もドロヨケの付いているボルトを外して取り付けます。
最後に位置調整ができるよう、この時点のネジは緩めに留めておきます。
ここまで順調に来ていましたが、よく見るとキャリアの上部が車体とスレスレで干渉しそうになっています。
ネジを留める高さと同じなので、これではハンドルを切った時に車体と当たってしまいます。
どうしたものかと思っていたら、カゴ下部分のキャリアのネジ(画像左上)を緩めると前に移動できることが分かりました。
台座を少し前にずらして、これでキャリアの取付けが完了しました。
次に取り外しておいた前カゴをもう一度乗せて、底面と背面をネジ留めします。
カゴの底面は元々使っていたネジで、背面はカゴを買った時に使わずに保管しておいたものを使用。
留め具がない場合は、『自転車 前カゴ 金具』で検索すると色々出てきます。
オージーケー技研 取付金具取付金具セット(まえ用バスケット用取付け金具(amazonより)
付属のネジやパーツは捨ててしまいがちですが、整理して保管しておくとこんな時に役立ちます。
ネジやちょっとした金具は買いに行くのも面倒ですし、合うものが近くで売っていなかったりするので、取って置くに越したことがありません。
カゴの背面とキャリアの間は隙間ができるので、キャリアの付属部品で付いてきたスペーサーを入れてぐらつきを抑えます。
最後に水平バランスを見ながら全体のネジを締めていきます。
カゴ下だけの固定なのでグラつきがあるのではと気になっていましたが、しっかり固定できています。
前カゴとの相性も良く、なかなかいい感じで収まりました。
前カゴの位置が下がったことで荷物を入れてもライトに干渉することがなく、全体の重心が低くなりバランスが良くなっています。
これならハンドルを切る時に荷物に当たったり、バッグの持ち手が引っ掛かるストレスがなくなりそうです。
Before(フロント荷台を利用して前カゴを取り付け)
After(荷台を外してから、新たにキャリアと前カゴを取り付け)
比べてみるとカゴの位置が10cmくらい下がったのが分かります。
最大荷重が増えたので、買い物の荷物も安心して乗せられるようになりました。
ただ、取り替えてみると、以前の取り付け方法は違和感があるものの、意外に走行時や自立時の安定感があって悪い所ばかりではなかったです。
カゴがハンドルと連動するようになると、荷物を入れて片足スタンドを立てた時に転倒しそうになる回数が増えました。
また、カゴを付けるとライトに干渉してしまうので、ライトの位置をカゴ下やフロントフォークに付け替える方が多いようです。
ライトを照らす高さが低くなるのが嫌だったので、ハンドルへ付け替えていますが、この辺りは好みの分かれるところだと思います。
たまにはメンテナンスもやっておこう
カゴを取り付けている時に見つけたのですが、よく見るとブレーキやペダルの端に傷が付いて塗装がはがれていました。
おそらく自転車が倒れたり細い場所を通る時に当たって付いたもののようです。
今回は応急処置的にマジックで塗ってカモフラージュします。
小さな傷や剥がれでも時間が経つと錆びの原因になって行くので、目立つ箇所はなるべく早めに補修したいところです。
汚れ落としはパーツクリーナーで
正直、自転車の掃除やメンテナンスって、あまりする機会がありません。
スポーツサイクルは小まめに手入れする人が多そうですが、街乗りだとほとんどされていないように思います。
たまに空気だけ入れて、壊れたり錆びたら買い替える。そんな人も多そうです。
複雑な形状をしている上に油汚れと泥汚れが混ざっていて、面倒だし思ったよりきれいにならない。
実際、地面に近いタイヤやチェーン周りは、ちょっと触れただけで手が真っ黒になりますよね。
そこで、タイや周りやチェーン部分の油汚れを落とすためにパーツクリーナーを使います。
吹きかけるだけで汚れがポタポタと落ちていくので手を汚すことがありません。
【Amazon.co.jp限定】 AZ(エーゼット) パーツクリーナー 840ml プラスチック使用可 原液504ml A008
洗車したり雑巾で拭いたりとなるとハードルが高いですが、スプレーを吹きかけるだけならなんとかやれます。
埃や油汚れを落とし終わったら、新しく注油をして錆止めをしておきます。
本来はもうちょっと丁寧にメンテナンスした方が良いのかもしれませんが、何もしないよりは良さそうです。
パーツクリーナーは、ホームセンターでも売っているので自宅に一本置いてあると便利です。
以上で、セルフカスタマイズ2回目&プチメンテナンスが終了しました。
前回のカスタマイズで慣れたせいか、メンテナンス込みで1時間くらいで終了しました。
思っていた以上にカゴがフィットして取り外したフロント荷台の出番は当分なさそうですが、大切に保管しておこうと思います。
購入当初のノーマル仕様に比べると、マイEZはこの1年で好みに合ったものになってきました。
今のところ独力でできるカスタムしかしていませんが、サイクルショップが紹介しているカスタムをみるとまだまだできることがあるようです。
このあたりは引き続き乗りながら、アイデアを膨らませていきたいと思います。